
派遣社員から大企業の
正社員になれますか?
簡単ではありませんが、派遣社員から大企業の
正社員になることは可能です。
私自身、派遣社員から東証プライム上場企業の
エンジニアとして正社員になりました。
この記事では、どのように行動し、何を準備したのかを私の経験をもとにお伝えします。
同じように大企業で正社員を目指す皆さんの
参考になれば幸いです。
本文の内容
- 派遣社員から大企業へ入るために
必要なもの - 派遣社員から大企業の正社員になる方法
- 派遣社員から大企業を目指す転職活動の
進め方 - 派遣社員から大企業へ近づく転職活動中の
働き方 - 派遣社員から大企業へ採用されるための
準備
それでは、実際にどのように大企業の正社員を
目指していくのか解説していきます。
派遣社員から大企業へ入るために
必要なもの


派遣社員から大企業の正社員に挑戦するには、「経験」と「大卒(大学卒業)」が必要です。
このパートでは、なぜ経験と大卒が必要なのか
説明します。
経験が必要な理由
ここでいう経験とは、企業が「この人は即戦力として活躍できる」と判断できるスキルや実績の
ことです。
中途採用は基本的に即戦力を求めます。将来性を
見る場合は、新卒を採用して育てます。
そのため、派遣社員から大企業の正社員を
目指す場合、現時点で最低限必要な経験は、
出向先の社員と同じように1人で担当を持ち、
プロジェクトを進めていることです。
まだ正社員のサポート業務や雑務が中心の方は、
正直厳しいです。
もし現在担当を持っていない方は、まずは経験を
積むことが必要です。
その方法については別記事で解説していますので、参考にしてください。


大卒が必要な理由
大企業になると、募集要項に「大卒以上」と
記載されている場合が多いです。
そのため、どれだけスキルや実績があっても、
大卒でなければ応募すらできません。
高卒の方は「仕事を辞めて大学に行かないと、
大企業に挑戦できないのか」と
思うかもしれませんが、そんなことはありません。
仕事を続けながら大卒を取得する方法もあります。
私自身もこの方法で大卒を取得しました。
詳しくは別記事で紹介していますので、
もしよければ参考にしてください。


派遣社員から大企業の正社員になる
方法


派遣社員から大企業の正社員になるには、
次の2つの方法があります。
- ・企業の中途採用募集に応募
-
中途採用枠に応募して採用される方法です。ただ、企業が求める経歴や学歴など、
募集要項の条件を満たしていないと応募
できません。 - ・派遣先企業に直接正社員として採用
-
派遣先での働きぶきを評価され、
そのまま正社員として登用される方法です。
これらを進めるうえで、派遣社員から正社員を
目指す人が活動前に確認しておきたいことが
あります。
派遣社員から正社員を目指す前に
確認しておきたいこと
派遣会社によっては、派遣先企業の正社員登用を
禁止している場合があります。
その場合、派遣会社を変えるという手段もあります。
ただし、変えると判断する前に、まずは今の
派遣会社に正社員登用を認めてもらえないか
交渉してみましょう。
理由は、派遣会社を変えた場合、新しい派遣先で
少なくとも3年程度は実務を続ける必要があるから
です。短期間で辞めると「すぐに辞めてしまう人」というマイナスに評価されてしまいます。
交渉がうまくいけば、不用意に転職回数を
増やさずに済みます。転職回数は少ない方が
選考で
有利なため、できる限り増やさないように
しましょう。
もし派遣会社を変えるのであれば、転職回数が
1回以内の人が望ましいです。転職回数が多い場合
も短期間で辞めると同じように「すぐに辞めて
しまう人」と見られるため、マイナスに評価
されてしまいます。
すでに転職回数が2回以上の方は、大企業の
中途採用募集に挑戦すると同時に、現在の
派遣会社に
正社員登用を認めてもらえるよう
継続して交渉を続けることをおすすめします。
派遣会社を探す場合
派遣会社を選ぶ際は、スカウトを行っている
企業展や転職フェアに参加することをおすすめ
します。
スカウトがきた場合、派遣会社の担当者と
直接話ができ、入社を決める判断材料として
「もし派遣先から正社員登用の話が来たときは、
認めてもらえるか」を交渉できます。
もし、認めてもらった際は口約束だけで
終わらせず、後で確認できるよう証拠を残して
おくことが
重要です。
たとえば、担当者からメールで文面をもらう、
または書面をもらうことで、後にもめるリスクを
減らせます。
私もこの方法を使い、派遣会社の担当者と
直接話す機会を得ました。
その場で、いつか
正社員を目指していることを伝え、正社員登用を
認めてもらうことを条件に、
その派遣会社へ
入社することを決めました。
派遣社員から大企業を目指す転職活動
の進め方


派遣社員から大企業の正社員を目指す場合は、
「中途採用への応募」と「派遣先企業での正社員
登用」を並行して進めましょう。
転職活動は求人状況によって時間がかかる場合も
あります。どちらか一方だけを試して、
うまく
いかなかったら次に進むというやり方では、時間
がかかってしまいます。
また、派遣先の見直しも必要です。
派遣先企業から正社員登用の話が来たときに、
本当にその企業で働きたいと思えるか
考えて
みましょう。もしそうでなければ、派遣会社と
交渉して、自分が入りたい企業に
出向できるよう
出向先を変更しましょう。
派遣社員から大企業へ近づく
転職活動中の働き方


中途採用を狙う場合も、派遣先から正社員登用を
狙う場合も、基本となる働き方は同じです。
その理由は、中途採用なら職務経歴書に書ける
成果が必要になり、正社員登用の場合は
「この人
を正社員にしたい」と思わせる実績が必要になる
からです。
どちらにしても、日々の仕事の質が
転職や登用の成否を大きく左右します。
また、前の章でも説明しましたが、中途採用を
狙う場合は日々の業務と転職活動を並行して
進める必要があります。
ここからは、正社員を目指すための働き方、
中途採用を狙う転職活動の進め方、
派遣先から
直接正社員を目指すためのアピール方法について
解説します。
正社員を目指すための働き方
前の章でも触れましたが、中途採用の採用基準は
即戦力になれるかどうかです。
そのため、即戦力になれると思わせる実績を
日々の業務で積み上げる必要があります。
ただし、「即戦力」とは具体的に何を指すのか
分かりにくい部分もあります。そこで一つの目安
に
なるのが同年代の正社員との比較です。出向先
の同年代の正社員よりも高い成果を出せるよう、
意識して仕事に取り組みましょう。
成果の例としては、より高度な業務を任される
ことや、同じ期間でこなす案件数が多いことなど
が
挙げられます。そうした実績を積み重ねることで、職務経歴書にも記載でき、面接の場でも
「派遣先の正社員よりも結果を出してきました」
とアピールできます。
さらに、直接正社員登用を狙う場合にも、
この実績はアピール材料になります。
詳細は次で解説しますが、普段の働き方が
直接正社員登用に影響します。
中途採用を狙う転職活動の進め方
中途採用を狙う場合は、派遣先での業務と
並行して転職活動を進めなくてはいけません。
転職活動は1つの方法だけに頼らず、複数の手段
を組み合わせて活用しましょう。
ここでは、
私が利用した4つの方法を紹介します。
- 転職エージェント
- スカウト
- 職業安定所(ハローワーク)
- 企業への直接応募
転職エージェント
中途採用で大企業を目指す場合、転職エージェントはおそらくメインの活動になるでしょう。
転職エージェントの魅力は、非公開求人と求人数
の多さにあります。
一般には出回らない大企業の案件や条件の
良い求人も多く、面接対策や職務経歴書の添削、
キャリア相談などのサポートも受けられます。
私も登録後の面談で、自分の経歴や希望条件に
合う求人を数多く紹介してもらいました。
しかし、最初は非常に多くの案件を見られる一方で、初期段階で条件に合う求人が見つからない
場合、その後の紹介数は減ります。
そのため、一つのエージェントに絞らず、複数
転職エージェントを利用しましょう。
複数登録することで、求人の幅が広がり、希望に
合う大企業や優良企業と出会える可能性が
高まります。
スカウト
スカウトサービスは、自分の学歴や職務経歴、
保有スキルを登録しておくと、企業や転職エージェントが自社のニーズに合った人材を探し、
あなたに直接オファーを送ってくれる仕組みです。
登録後は基本的に待つだけでオファーを受けられるため、忙しい中でも効率的に転職活動を
進められます。
ただし、登録して放置してしまうと最新の実績や
スキルが反映されず、魅力的なオファーを
逃す可能性があります。新しい資格を取得したり、成果を上げたりした場合は、
その都度プロフィールを更新しましょう。
職業安定所(ハローワーク)
職業安定所も積極的に活用しましょう。
「職業安定所で良い求人なんてあるの?」と思う方もいるかもしれませんが、意外な掘り出し物の
求人が見つかることがあります。
私自身も、職業安定所で他では見つからなかった
価値のある求人に出会った経験があります。
転職活動はタイミングが重要で、どこで出会えるかは分かりません。
少しでも多くの情報を得るために、直接足を
運び求人票を確認してみましょう。
企業への直接応募
企業のホームページには中途採用ページが用意
されていることがありますが、多くの場合は
そこから募集していません。
ただし、稀に直接応募できる企業も存在します。
転職エージェントから求人を紹介された求人で
もし企業が直接募集をしていた場合は、直接応募
しましょう。理由は、企業が転職エージェント
経由で採用すると成功報酬が発生するため、
同じスキルの応募者が複数いた場合、費用のかからない直接応募者を優先する
可能性があるからです。
派遣先で正社員登用を目指す働き方
派遣社員から正社員登用を目指す場合、まず
一番にアピールすべき相手は直属の上司です。
つい出向先の部長や部署のトップに目を向けがちですが、直接アピールする機会はほとんどありません。
確かに、最終的に正社員登用を承認するのは
部長など部署のトップです。しかし、派遣社員が
その場で評価を伝えるチャンスは非常に限られています。
一方で、直属の上司である中間管理職は、
日常的にあなたの仕事ぶりを細かく見ています。
そして、部署のトップと話す機会も多いため、
直属の上司から「〇〇を正社員にしたい」と
推してもらえることが何よりも重要です。
つまり、派遣先での働き方として意識すべきなのは、日々の業務で成果を出し、その姿を直属の
上司にしっかりと見てもらうことです。
その積み重ねが、最終的にトップへの推薦につながり、正社員登用への道を開いていきます。
派遣社員から大企業へ採用される
ための準備


大企業への採用を勝ち取るためには、
採用試験対策も必須です。以下の3つは必ず準備
して
採用試験に臨んでください。
・職務経歴書
・適性検査
・面接
では、順番に説明していきます。
職務経歴書
職務経歴書は、書類選考を通過できるかどうかを
左右する最も重要な書類です。
私が転職活動をしていたときは、
転職エージェントからA4用紙で2枚以内に
まとめ、わかりやすく、
実績が伝わる形にする
ように指導されました。
理由は、採用担当者は毎日多くの応募書類を確認しているため、長すぎたり、わかりにくいと
最後まで読まれず、不採用になる可能性が高いからです。
質の高い職務経歴書を作るためには、
エージェントに相談しながら作成することを
おすすめします。自分では気づかない強みや
改善点を指摘してもらえるため、
質の高い職務経歴書が作成できます。
また、職務経歴書作成だけに時間をかけすぎると、適性検査対策や面接準備、求人探しといった
他の準備が進まなくなります。
質の高い職務経歴書を作るためにも、
転職エージェントに相談しながら作成することを
おすすめします。最近では、生成AIを活用した
書類作成も有効な手段です。
採用担当者の目に留まる職務経歴書を
作成しましょう。
適性検査
適性検査(いわゆる筆記試験)は、
多くの大企業で転職希望者の基礎的な能力を
測るために
採用されています。
大企業に転職するなら、避けては通れません。
適性検査がある理由
適性検査は応募者の人数を絞るために実施して
います。
中途採用は特に応募者が多く、採用担当者が全員
の経歴を細かく確認するには膨大な時間と労力、
負担がかかります。そのため、まずは適性検査で
一定の基準を満たす人だけを選び、効率的に選考
を
進めています。
どれだけスキルや実績があっても、適性検査の
基準ラインを超えなければ次の面接に進むことは
できません。
代表的な適性検査には以下があります。
- SPI
- 玉手箱
- TG-WEB
企業によっては独自方式を採用している場合も
あります。応募前には必ずどの検査が行われるか
を
確認し、わからなければ転職エージェントに
相談しましょう。
適性検査対策
大企業を目指すなら、高い確率でSPIを受ける
ことになります。SPIは大手企業で最も多く採用
されている適性検査で、避けて通ることはできま
せん。問題の難易度自体はそれほど高くありませ
んが、制限時間が厳しく全く時間が足りません。
また、必要のない情報も混ざっているため、どの情報を使うか瞬時に見極める力も求められます。
目標は得点率80%以上。
学習方法は以下の手順がおすすめです。
問題形式や出題傾向に慣れるため、
まずは過去問を一通り解きます。
公式や解法パターンを覚え、判断に迷う時間を
減らします。
を上げる
回答スピードを上げ、得点率80%以上を
目指す。
独学で80%以上を狙うのが難しい方は、
有料のSPI対策講座を活用するのも有効です。
おすすめは、情報学習社の「SPIテスト SMART合格講座」です。効率の良い解き方や時間短縮の
コツを学べます。
「SPIテスト SMART合格講座」概要
項目 | 内容 |
講義時間 | 約10時間のビデオ講義(5〜15分単位で分割) |
問題演習 | 約4時間分、一問一答形式・解説動画付き |
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出題範囲 | SPI過去問や出題頻度の高い予想問題を中心に構成 |
受講料 | 13,200円(税込) |
といった内容で、基礎から応用まで効率的に
学べるのが特徴です。過去問演習と組み合わせれば、
目標の80%以上も狙いやすくなります。
\もっと効率よくSPI対策を進めたい方へ/
解き方を覚えるだけでは不十分です。
必ず過去問題を繰り返し解き、制限時間内に解き
切る訓練を行ってください。
これを怠ると、本番で時間切れになり得点
が伸びません。
面接
転職活動における面接は、あなたの実力や人柄を
アピールできる重要な場所です。
必ず事前にシミュレーションを行い、想定される
質問への回答を準備しておきましょう。
面接でよく聞かれる質問内容
・前職を辞めた(辞めたい)理由
・応募企業を選んだ理由
・入社後にどのように貢献できるか
・働いていない期間があれば、その間に
何をしていたか
私の場合、仕事をしながら通信大学を卒業していたため、「なぜ通信大学に行こうと思ったのか」もよく聞かれました。
私が面接で実際に使った質問回答
参考になるかわかりませんが、実際に私が面接官
に話した質問回答を紹介します。
質問回答をする前に、簡単に私の経歴を
紹介します。
実務経験
・職種:製造業
・実務内容:設計、生産準備、生産技術
学歴
・最終学歴:大卒(通信制大学)
・学科:経営学科
質問回答例
技術者として働く中で、経営やお金に関する
知識不足を指摘されることがありました。
そこで、経営学を学び、お金にも強い技術者に
なるために通信制大学で経営学を学ぶことにしました。
前職では組付けと成形を見るだけの設計業務
でした。私は機能部品の設計をやりたいと
考え、転職を決意しました。
応募先の企業では私がやりたいと思っている
機能部品の設計ができると考え、応募しました。
設計だけでなく、生産技術や生産準備の経験を
活かし、製品開発の初期段階から生産まで一貫
して担当できます。この経験により、開発から
立ち上げまでの流れをスムーズに進め、
プロジェクトの効率化やコスト削減にも貢献
できると考えています。
以上が私が面接で使用した質問と回答です。
ネガティブな回答は避け、会社に対してどう貢献
できるかを前面に出して話すことが重要です。
転職サイトのエージェントも色々と教えてくれるので、しっかりと対策をしましょう。
派遣社員から大企業の正社員を目指すにあたって


派遣社員から大企業の正社員を目指すなら、
少しでも興味を持った企業には積極的に応募する
ことが大切です。
大手企業の中途採用は応募者が多く競争が激しい
ため、簡単に決まらないと思います。
1〜2社で不採用になったからといって諦めてしまうと、そこで挑戦が終わってしまいます。
私自身も転職活動中に10社以上から不採用通知を
受けましたが、あきらめずに挑戦し続けたから
こそ、今の地位を勝ち取れたと思っています。
大企業を目指す道のりは長丁場になるかもしれませんが、あきらめずに挑戦をし続けましょう。
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